
株式会社NHVコーポレーション様 NHV Corporation
属人化を解消し業務を全社標準化
見積件数1.5倍、受注額10%アップを実現!
株式会社NHVコーポレーションは、照射試験から装置導入、アフターサービスまでをトータルでサポートする、電子線照射装置の総合メーカーです。 低エネルギー領域から高エネルギー領域まで、お客様の幅広いご要望に対応できる唯一の電子線照射装置のメーカーとして、日本はもとより世界のニーズに対応しています。
このたび、誰もが効率的に業務を行うことができる仕組みの構築を目的としたプロジェクトの一環として、ServAirを導入して頂きました。情報の一元管理や業務フローの標準化を行い、アフターサービスの業務効率化を実現されました。
業種
電子線照射装置の製造販売およびアフターサービス、電子線照射サービス(照射実験と委託加工)
導入ライセンス
- フィールドサービス
- 販売管理
選定理由
- YOKOGAWAグループでもグローバルに使用しているシステムであり、安心感があったこと
- アフターサービス業務に最適化されたパッケージであり、ゼロから開発する必要がなかったこと
- グランドデザインフェーズで事前にシステムを確認したことで、導入後のイメージがつかめたこと
導入前の課題
- 部門ごとには業務が最適化されていたが、全社的にみると非効率になっている部分があった
- 業務が属人化されていたことがボトルネックとなってしまい、問合せ対応に遅れが生じていた
- 情報共有の文化や仕組みが不足しており、全社的な顧客情報の可視化ができていなかった
導入後の効果
- 情報の分散や属人化が解消され、誰でもすぐに必要な情報へアクセス・共有できるようになった
- 商品情報がマスタ化されたことで、営業以外のメンバーでも見積を作成することが可能となった
- 業務が効率化されたことで、見積件数、見積額が1.5~2倍となり、その結果、受注額も10%アップした
導入事例インタビュー
アフターサービス起点で進めた全社業務改革

(株)NHVコーポレーション
CS部 部長
プロジェクト責任者
馬場 隆様
当社では、新規装置の商談から納入後のメンテナンスまで、製品のライフサイクル全体を管理しています。情報が部門別に分断されているという課題があり、それぞれの部門が保有しているデータを、顧客や案件別に管理していく必要性がありました。
また、「自部門最適から全社最適へ」という方針のもと各部門で効率化を進めたものの、全体最適という観点では非効率な運用も発生していました。人材の入れ替わりを考慮すると、新人も含め誰もが仕事をしやすいと思える業務の流れを定義していく必要性を感じ、検討を進めていました。
業務とシステムの課題を棚卸した結果、アフターサービス部門に特に多くの改善点が見つかりました。販売管理システムも候補にありましたが、費用対効果を比較し、まずはアフターサービスに焦点を当てて基幹システム導入することにしました。
グランドデザインを行ったことでシステムの導入イメージが掴めた

(株)NHVコーポレーション
システムグループ 主任
プロジェクトリーダー
奥田 慎平様
ServAirはYOKOGAWAグループでもグローバルに展開されており、その実績と信頼性は導入判断の大きな後押しとなりました。加えて、自社独自で一からシステムを構築するよりも、既に確立されたServAirの標準業務フローに業務を合わせていく方が、コストや工期、運用面のリスクを考えても現実的で、長期的な視点でもメリットが大きいと判断しました。
導入に先立ち実施したグランドデザインのフェーズでは、システム構成や業務フローを事前に可視化でき、全体像を明確に把握できたことが非常に有効でした。あらかじめ将来の運用イメージを関係者間で共有できたことで、導入プロジェクトに対する理解と納得感が深まり、スムーズな意思決定と社内調整につながったと感じています。
標準化に向けてメンバー全員で業務全体の流れを考える

(株)NHVコーポレーション
カスタマーグループ
真鍋 正伸様
導入にあたって特に苦労したのは、部門ごとに最適化されていた既存業務を、全社目線で標準化するプロセスです。各部門のメンバーは現行業務に慣れており、変える必要性をなかなか理解してもらえませんでした。
そこで毎週会議を開き、全員の意見を聞きながら一つ一つ決定していきました。運用後も問題が起きるたびに話し合いを重ねました。各部門のリーダーは大変でしたが、導入を機にメンバー全員が業務全体を見渡す意識を持てたのは良かったと思います。
実際の業務の中ではレアケース(イレギュラーのケース)がどうしても発生してしまうので、それをどう処理していくか、といった話し合いは今も継続して行っています。
見積件数や見積額が増加し受注額も10%アップ

(株)NHVコーポレーション
情報システムグループ
清水 大雅様
従来は見積作成も一部の営業に依存していましたが、ServAir導入によりマスタ整備が進み、誰でも同水準の見積が作成できるようになりました。案件情報から見積・受注までのデータがシームレスにつながり、必要な情報をすぐに確認できます。
導入から1年が経過し、効果は数字にも表れています。見積件数・見積額は約1.5倍に増加し、タイミングによっては2倍となることもありました。受注額も約10%向上しています。
市場環境に大きな変化がない中で、マスタ整備と業務フローの明確化により、担当営業以外のメンバーでも見積対応が可能になり、属人化の解消が成果につながったと考えています。
システムの効果が見え始めると、「さらにこうしたい」という要望が現場から上がってきます。ただし、それらをそのまま反映してしまうと、再び属人化や部門最適に陥るリスクがあるため、全社最適を見据えたうえで、意見をどう取り入れるかは慎重な判断が求められます。
ServAirの活用で更なるサービス品質の向上を目指す
今後は、ServAirに集約された情報をRPAやBIツールなどの他システムと連携させ、さらなる業務効率化やデータ活用の高度化を図っていく予定です。データ連携ツール「ASTERIA」の活用も強化し、部品点数の多さを踏まえ、ServAirとPLM(製品ライフサイクル管理)との連携も視野に入れています。
また、お客様からのお問い合わせに対して、これまで以上に迅速に対応できる体制を目指しています。見積件数は増加していますが、イレギュラーな案件では対応が滞ることもあり、今後はその改善に取り組みます。対応業務の範囲拡大と効率化に向けて、マスタ整備と部品データの拡充を進めていきたいと考えています。
今回のServAir導入により、アフターサービスから上流工程まで業務プロセスを連携させる仕組みが構築できました。今後は、この業務連携をさらに発展させ、お客様との接点にまで広げていくことを目指しています。
※本事例は2025年2月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり変更されている可能性があります。