エヌケイエス株式会社 NKS Corporation
ServAir導入を契機に校正業務プロセスのDXを実現
エヌケイエス株式会社は、長さ・重さ・温度・時間をはじめとする、様々な単位をはかるための計測機器の現状の値を確認・記録する「計測機器の校正」「製造設備の適格性評価(バリデーション支援)」を行っている会社です。計測機器の校正を通して、人々の安全で豊かな暮らしを影から支える重要な役割を担っており、メーカー・機種を問わず幅広い業務に対応できる点からも、トップクラスの実績を誇っております。 このたび、ServAirのパッケージ機能を最大限に活かしつつ、社内業務のDX化推進を目的にServAir導入を行いました。
業種
計測器・計量器の校正業務、製造設備・機器の適格性評価業務(バリデーション支援業務)
導入ライセンス
- フィールドサービス
- センドバックサービス
- メンテナンスサービス
- 販売
- 購買
選定理由
- ServAirというワンパッケージで出張校正、引取校正の業務全般をカバーできる
- 校正業務の効率化のみならず、販売・購買といった基幹系を含めた業務要件もカバーし、安定した品質でシステムを利用したい
- ServAir Cloudの継続的なアップデートにより、機能追加・改善が期待できる
導入前の課題
- 業務毎にシステムが分かれており、二重入力が必要
- 紙を主体とした業務処理が多く、印刷、承認、ファイリングといった作業に時間がかかっている
- 外出先でシステムを参照することができず、効率が悪い
- システムごとに入力フォームが異なり、担当者ごとに入力内容に違いがある
- 多数のシステムに情報が分散しているため、データ分析ができない
導入後の効果
- 二重入力が無くなり、入力ミスやチェック作業の工数削減につながった
- 電子化によりスムーズに情報連携でき、情報の受け渡しのタイムラグがなくなった
- 現場から柔軟な対応ができるようになり、テレワークの促進につながった
- システムが統合されたことにより、各種情報分析ができるようになった
- 定期的なバージョンアップにより、最新機能を利用できる
導入事例インタビュー
システム統合を機にBPRを積極的に検討
エヌケイエス株式会社
業務革新・デジタル化推進グループ グループ長
岩瀬 留美
当社の業務は、規定や手順書など全般的に整備され運用されている一方、紙運用で対応しているところや社員間での連絡により成り立っている部分も多く、これらを電子化することで業務効率が上がるのではないかと考えていました。
システムについては、業務ごとに最適化されたシステムが合計15システム存在し、入力ミスや二重入力による作業時間の増加といった問題もあったため、サーバーのサポート切れを機に、システム統合と併せてBPRについても進めていくことにしました。
当社のメイン業務となる校正業務は、訪問して対応する”出張校正”と社内に機器を引き取って対応する”引取校正”の2パターンがあり、主な流れについては、アフターサービス業務と非常に似ているため、ServAirを軸としてシステム導入を進めていくことにしました。
グランドデザインで業務・システムの両面から分析を実施
エヌケイエス株式会社
営業推進グループ
依田 利一
システム導入にあたっては、他社システム導入の知見や業務改善方法を参考にしたかったため、グランドデザインを実施して頂きました。現状システムや業務で抱えている課題と今後のあるべき姿を考慮し、システムで対応するのかあるいは業務を見直すのか、といった検討から、ServAirでカバーする範囲と既存システムを活かす機能をどのように共存させていくかを、業務・システム両面から分析・整理を行っていきました。
グランドデザインで整理を行った結果、15システムから、ServAirを含め3システムに統合することができました。自社独自の計算ロジックの入った見積査定システムについては、見積積算用として残す形にしましたが、校正業務のメインフローをはじめ、校正に必要な標準器の管理や、資格管理システムなど、ほぼ全てのシステムをServAirに移行することができました。
ServAirで対応する範囲については、標準機能を最大限活用する形とし、定期的なバージョンアップを享受できるよう、プロジェクトについては設定カスタマイジング、マスタセットアップ、操作トレーニングを中心とした対応となりました。システム基盤はクラウドとし、社外からもアクセスできるようになりました。
電子化を促進し業務効率が大幅にアップ
エヌケイエス株式会社
サービス推進グループ
マネージャー
永江 邦彦
BPRで目標としていた紙運用の削減については、ServAirを導入し大きな効果が出ています。紙運用の場合、情報の受け渡しが人手やFAXなどで行われるため、どうしてもタイムラグが発生しますが、システム化により、リアルタイムに情報が反映されるため、様々な業務をスムーズに進めることができるようになりました。
エンジニアのアサイン、作業報告の共有をはじめ、購買品の書類についても、用紙の印刷、持参、メール添付、ファイル保管といった対応が必要でしたが、案件情報に関連書類を紐づけて管理することができるようになり、材料費の把握も容易です。
書類を探すという作業や、作業報告書を印刷して上長へ承認をもらうといった業務も、ServAir上で対応できるため、これらにかかる工数も全て削減することができました。書類保管にかかる場所も不要となったため物理的なスペースも空き、棚の空きや資料山積みデスクもなくなり、社内もきれいになりました。複合機の利用状況においては、昨年度と比較して20%以上のプリントアウトが削減されています。
チーム内での情報伝達がスムーズに
エヌケイエス株式会社
業務革新・デジタル化推進グループ
システム担当
松田 力
校正業務はチームで対応しますが、チーム内の各種連絡はServAirのタイムラインで実施しています。案件を中心に全ての情報のやり取りが1ケ所にまとまるため、メールでのやり取りも大幅に削減され、大変好評です。ServAirの導入を機に、書類の電子化も行いました。ServAirの活用と業務の変更によって、場所に依存しないフレキシブルな業務遂行が可能となったため、テレワークの促進にも繋がりました。
外出先からもデータ参照や更新ができるため、現地での仕様変更などにも柔軟に対応することができるようになりました。また、他事業所の情報を参照できるようになったため、エンジニアの空き状況を見ながら、効率的に仕事を割り振ることもできるようになりました。
システムの利用面では、ServAir導入前は、各システムに手入力していたため、入力ミスやチェック作業に工数がかかっていましたが、ServAirで項目を細分化して入力することにより、人による入力のバラつきが減り、データ活用がしやすくなりました。
経営戦略を遂行する情報基盤に
エヌケイエス株式会社
業務革新・デジタル化推進グループ
システム担当リーダー
橋村 智生美
ServAir導入前は、システム毎に問い合わせ先が異なっていたため、誰に問い合わせを行えばよいか確認が必要でしたが、ServAir導入後はサポート窓口が統一されたことにより、問い合わせが楽になったという声もあり、運用性が向上しています。
ServAirにデータを集約することで、分析を行う元データが蓄積できつつあり、経営戦略を遂行する情報基盤ができました。今後は、資格マスタをより活用できるようにし、作業のアサイン業務をさらに見直していくことなどを検討中です。
また、作業日、内容をヒートマップ化して、手薄な部分に人員を配置することや、難易度の高い業務に多くの人員を割り当てるなど、アサインするための分析を行いたいと考えています。いずれは、マーケティングの分析にも活用したいとの声もあり、RFM分析によるグループ化マーケティング等も進めていきたいと考えています。お客様がどういった内容でリピートの依頼をして頂けているかをグルーピングし、お客様のご要望等を考慮しつつ、積極的なご提案ができるような仕組み作りを検討していきたいです。
※RFM分析
RFM分析とは、Recency(直近の購入日)、Frequency(頻度)、Monetary(購入金額)という3つの指標で顧客をグループ分けする分析手法のこと。
校正業務の事前打合せ風景
※本事例は2021年12月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり変更されている可能性があります。