株式会社SCREEN SPE サービス様 SCREEN SPE Service Co., Ltd.
システム導入による業務効率化により、売上処理件数が昨年比20%増にもかかわらず、残業60%削減を実現
米中間の貿易摩擦を発端に、COVID-19による新しい生活様式の拡大や、グローバルサプライチェーンの混乱などに起因した世界的な半導体不足により、半導体関連市場は大きく伸長しています。株式会社SCREEN SPE サービスでは、SCREENグループの国内における半導体製造装置のサービス会社として、半導体製造装置のセットアップ・メンテナンス・改造サービスからオリジナル周辺機器の開発・販売まで、幅広い事業を展開し、半導体メーカーの技術パートナーとして、未来をつくるキーデバイスの製造現場を支えています。
このたび、導入後13年を超えた基幹システムの陳腐化に伴い、基幹業務を含むオールインワンパッケージであるServAir導入により、大幅な業務効率アップを実現されました。
業種
半導体製造装置のセットアップ・メンテナンス・改造サービス、およびオリジナル周辺機器の開発・製造・販売
導入ライセンス
- フィールドサービス
- 販売管理
- 購買管理
- 在庫管理
選定理由
- 単なるSIerではなく、自社でもServAirを使用されており、フィールドサービス業務に必要なエッセンスが盛り込まれている
- 事前の業務整理で自社業務の80%をServAirで処理可能だと把握できたこと
- 各モジュールが充実しており、引取修理や保守契約への展開が可能
- サービス業務だけではなく、基幹業務を含むオールインワン型パッケージであること
- 外資系パッケージにはできない、納入品管理の仕組みがある
導入前の課題
- 導入後13年を超えた基幹システムの陳腐化
- スクラッチ開発による機能性維持の困難
- 多要素認証、冗長化、IEのみに対応といった昨今のセキュリティ要件を満たしていない
- 会社の規模拡大や、直販化による、業務プロセスの煩雑化
- 業務上必要となる承認行為が実施されておらず、全社ガバナンスに問題を抱えていた
導入後の効果
- 売上件数20%増加にもかかわらず、残業を大幅に削減(2022年4~7月:60%減 (前年同月比))
- 各承認手続きが業務プロセス内で漏れなく実行されることによる、ガバナンス強化
- 基幹システムで業務を遂行することで、ローカルExcelや情報の分散を回避
- 新業務フローをベースとした業務処理により、全社の業務統一
- 旧来のローカルルールをあぶり出し、あるべき姿へ是正
- ユーザー担当者の業務改善への意識変革、定着化
- データ連携等により、データ集計や報告の迅速化
導入事例インタビュー
直販の修理業務がメインとなり、既存システムが追従していない
(株)SCREEN SPE サービス
兼 IT推進課 課長
プロジェクト責任者
酒井 俊之 様
当社では、もともとスクラッチで構築したシステムを13年間使用していました。当時は、親会社経由のサービス業務をメインに対応しており、グループ間取引に適合した基幹システムとなっていました。
10年ほど前から、直販での修理業務も行うようになり、サービス委託会社から、徐々に独立性を高めるというビジネスモデルの変更もあり、会社規模も拡大していきました。サービスに関わる人員も増え、既存システムでは会社規模に追従しておらず、業務範囲がカバーできていないところがありました。システムには結果だけを入力する、数字が合っていることを確認して月末処理を行うといった状況でした。
補完が必要な業務については、Excelで対応していました。このため、毎月月末には、基幹システムと、Excel台帳との答え合わせが必要となっていました。Excel台帳1ヶ月分の部品の入出庫を確認した後で、既存システムに1ヶ月分をまとめて手入力するという業務があり、業務メンバーの負担が非常に大きかったです。
システム変更の直接のきっかけは、既存基幹システムがInternet Explorerにしか対応していないところ、冗長化や多要素認証ができていないといった点です。内部統制ができておらず、全社ガバナンスに問題を抱えていると感じていました。
既存システムは、もともとパッケージではあったのですが、当社の要望に合わせて改善を多く加えた作りとなっていました。フィールドサービス業務システムのあるべき姿を知らなかったため、サービス業務と基幹業務を一緒に管理できるシステムを探していました。
ServAirは、基幹機能までカバーしたオールインワンパッケージ
(株)SCREEN SPE サービス
業務課 課長
プロジェクトリーダー
溝口 真輝 様
外資系パッケージ、国産パッケージなど、ServAirを含め4社の資料を収集し、機能比較を1年ほどかけて行いました。ServAirの一番の決め手は、単なるSIerではなく自社でもServAirを使用されているところです。自社で利用されているため、サービス業務のかゆいところにも手が届くシステムになっているのではないかと思いました。
特に、納入品の管理については外資系パッケージにはない造りとなっており、運用や管理がしやすそうだと感じました。フィールドサービス業務は難しい仕事と考えていますが、業務フローには出てこないところの進め方も、ServAirのシステムにエッセンスとして随所に盛り込まれているところが、ご提案頂いている段階で垣間見えました。
導入にあたっては、PoCフェーズを設けてもらい、当社の業務内容を把握してもらった上で業務整理を進めました。PoCでの検討結果は、当社の業務を80%カバーでき、20%はアドオン・カスタマイズで対応できるということでした。
また、当社の希望として、サービス業務はサービスシステム、販売管理、購買管理、在庫管理は基幹系システムという形で、複数システムを使用して業務を回すのではなく、1つのシステムで運用したいと考えていました。フィールドサービス業務と基幹系業務が同様の操作感で利用でき、役割分担も明確で履歴も管理できるため大変使い易いです。
今回の導入では、まずは、既存システムで対応していた範囲のモジュールにしましたが、今後、必要なモジュールを追加できるという拡張性も良いと思った点です。サービス業務だけではなく基幹機能も含まれるオールインワンパッケージであり、プラットフォームに依存しないところも決め手となりました。
41本あった業務フローを、18本にまとめることができた
(株)SCREEN SPE サービス
プロジェクトメンバー
小阪 有里子 様
前述しました通り、業務内容も年々多様化し、業務プロセスが煩雑になっていきました。都度、業務フローの整備は行っていたものの、商品ごとの業務対応となっていたため、部品利用を伴う場合のフロー、独自製品を扱う場合のフロー、といった形で、最終的には41もの業務フローが存在していました。
ServAirを導入するにあたり、まずは、PoCフェーズを設けてもらい、業務整理を行うことにしました。PoCでは、各業務フローをServAirで運用すると、どういう手順になるかを一つ一つ検証していきました。業務を検討するメンバ―は、拠点メンバーも含め20名程で対応しました。進捗は月1回定期的に行い、幹部会へのレビューも行いながら進めていきました。
顧客ごとの特性、拠点ごとの運用方法の違いは、もちろんありましたが、ServAir導入を機に、業務整理を行ったことで、41本あった業務フローを18本にまとめることができました。PoCを行っていく中で、他社はどうやって業務を回しているのかということを学びつつ整理できたことが良かったです。業務の定着は、業務フローをベースに手順書を作成し、説明会を行って定着させていきました。
ServAir導入にあたり、こだわったポイントは特になく、業務を整理した上で、ビジネス管理上、本当に必要なところについてはアドオン・カスタマイズを行いました。また、今後のシステムのバージョンアップも考慮し、ServAirの標準業務フローに合わせる形にしました。
ServAir導入により解決できた主な内容は、下記の通り多岐に渡ります。
・各案件の承認の実行(受注・見積・発注・売上)
・情報の一元化(案件や案件作業に集約)
・作業伝票のペーパーレス化(i-Reporterとの連携)
・個別支払処理の撤廃、ServAirへ統合
・業務領域、担当部門範囲の明確化(販売、購買等)
・支払い条件明記等、下請法等の遵法の実現
・棚卸機能活用により、運用含めた是正と在庫管理ルール化を実現
システムは、導入して終わりではないため、維持管理のために業務監査を兼ねて、定期的にキャッチアップしていくことも行っています。
売上件数が昨年比20%増加しながらもServAirの導入により残業60%削減を実現
(株)SCREEN SPE サービス
プロジェクトメンバー
吉丸 巳有紀 様
ServAirを導入して10ヶ月ほど経ちますが、業務メンバー中心に残業が、前年同月比で60%削減されました。売上件数は昨年から約20%ほど増加しているにもかかわらず、人員を増やすことなく残業を減らすことができているので、ServAir導入後の大きな効果が出ていると感じています。
ServAirを導入することにより、データチェックにかかっていた工数を削減できたことや、二重登録を排除できたことが、大きな要因と考えています。システム導入によりデータがServAirに一元管理されたため、データの集計や報告も迅速に行えるようになりました。各拠点メンバーからも、以前より早い時間に月末作業終了の報告があります。拠点でも工数削減ができており、明らかに残業時間が減っていると実感しています。
また、各担当者のローカルにあったExcelや、部署固有のルールを撤廃することができました。ServAirの画面からデータを入力し業務を遂行していくことで、作業報告書もデータで管理できるようになり、紙運用を廃止することができました。タイムラインというチャット機能は、関係者のみで履歴を追うことができるため、メールも大幅に削減することができています。紙やメールを廃止して、ServAirにデータが一元管理されることで、データで仕事ができるようになりました。
ServAirで各承認手続きが業務プロセス内で漏れなく実行されることにより、ガバナンスについても強化されました。当初、課題と感じていたところについては、問題無く解消し効果も出てきているので、今後は業務分析等を行い、さらに効果を出していきたいと思っています。
”ブレイクメンテ”から”プレメンテ”への業務改善を進めていく
ServAirにデータが一元管理されるようになったので、分析ツール等を使用して、売上、収益管理、サービスマンの稼働率など、社内のKPI見える化を、さらに進めていきたいです。すでに残業60%削減という効果は出ていますが、さらに稼働改善につなげられればと考えています。
また、作業分析を行うことで、”ブレイクメンテ”から”プレメンテ”への業務改善を進めていきたいと思っています。装置が壊れる前に、部品の在庫を確保する計画を立てたり、RPA展開によるオペレーション負担の低減も検討中です。
今回のシステム導入が良いきっかけとなり、ユーザー担当者の業務改善への意識変革、定着が図れたと考えています。今後は、コールセンターの構想も考えており、是非、ServAirをインフラの基盤として活用していきたいです。
※本事例は2022年8月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり変更されている可能性があります。