アフターサービスにおける
サービスBOMの活用例についてご紹介します
サービスBOMのシステム化とは?
~アフターサービス強化への取り組み~
アフターサービスの分野においては、
その取り組み方については、様々な観点からの仕組みづくりの検討がされていますが、システム化が進まない領域のひとつとして
本コラムでは、製造業をはじめとする各企業の新たな取り組みのヒントとなるサービスBOMの活用例をご紹介したいと思います。
サービスBOM(サービス部品表)とは
アフターサービスにおいては、顧客に納入された製品をサービスBOMとして管理することが重要です。
サービスBOMとは、アフターサービスにおいて活用される部品表になります。製品を構成する部品は、多段階の階層構造で管理され、保守サービスで販売可能な単位もしくはサービスで交換される部品/ユニット単位で保持されます。
サービスBOM上の管理情報としては、納品日、部品交換日といった各種タイムスタンプや、シリアルNo、ロットNoなどの生産に関わる情報があります。
このサービスBOMをシステム化することによって、
サービスBOMのアフターサービスにおける活用例
コールセンターやフィールドサービスを実施している企業におけるサービスBOMの活用例について、具体的にみていきましょう。
サービスBOM参照による円滑な受付業務
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サービスBOMは、保守業務における顧客情報として最も基本的なデータとなります。
過去の問合せや修理・部品交換履歴などをシステムで一元管理することで、顧客からの問合せ時に迅速かつ的確に状況を把握 することができ、円滑なコミュニケーションが可能 となります。
例えば、コールセンターにおける問合せ受付業務においては、サービスBOMは重要な役割を果たします。オペレーターは、過去の顧客事情に合わせた電話応対が求められますが、その際にシステム上のサービスBOMを参照することで、お客様の機器の情報を正確に把握することができ、通話内での適切な回答が可能となります。
迅速な修理サービスが可能に
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フィールドサービスはオンサイトでの修理作業のため、エンジニアは製品仕様や階層化された構成部品および過去の修理・部品交換履歴を事前に確認しておくことが必須となります。
作業計画時に、エンジニアがサービスBOMを参照することによって、障害に対する適切な初動対応が行えるようになります。 これは緊急修理などの早急な対応が求められる場面で、特に効果を発揮します。
障害の原因となっている構成部品を早期に特定でき、適切な修理対応が可能となります。その結果、修理コストの低減やお客様との良好な信頼関係の構築 にもつながります。
メンテナンス計画立案への活用
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サービスBOMはメンテナンス計画の策定にも役立てることができます。
サービスマネージャーとエンジニアは、保守・点検作業後、作業実績をシステムに登録し、次回に活用できるようにします。その作業実績とサービスBOMを営業担当者が参照することで、保守契約の提案時に、実績を考慮した最適なメンテナンス計画を提案することが可能 となります。また、サービスBOMと関連付けて蓄積された作業実績は統計的な分析もでき、さらなる保守・点検作業の効率化 に貢献します。
サービスBOMで“信頼あるアフターサービス”の実現へ
このように、サービスBOMをシステム化することにより、
その結果、
先の見通せない現代において、アフターサービスの強化はとても重要になってきています。その最初の取り組みとして、顧客情報の基盤となるサービスBOMのシステム化を積極的に推進されてみてはいかがでしょうか?